2017年11月 その②

2017年11月後半は、MDRの同僚(有志)でライプツィヒにあるペータース教会でチャリティーコンサート行いました。MDR交響楽団のバイオリニストがメンバーにそれぞれ声をかけてくれ、メンデルスゾーン、バッハとライプツィヒに因みのある作曲家でプログラムを構成しました。このペータース教会はMDR放送合唱団もよく本番や録音で使わせていただく教会です。 (そしてこの2日後に引っ越しをしました。新しい家はここのペータース教会まで徒歩3分!日本では考えられない近距離ですが。笑) ここのところ、連日の本番や録音、引越しの準備等で、喉が持つかかなり心配でしたが、アンサンブルができ心から楽しめる本番となりました。 そして、人の音や声を重ねる喜びを改めて感じたひと時でもありました。

2017年11月 その① ブラームス《ドイツレクイエム》in Dresden,Leipzig

2017年11月後半にドレスデンのフラウエン教会でブラームスのドイツレクイエムを演奏しました。 この作品は特に思い出深い作品です。東京藝大に入学して初めての定期演奏会がこの演目でした。 ドイツ語の曲を歌う事もまだ慣れていなかった秋に、初めてドイツレクイエムを演奏しました。 この曲を歌うと(聴くと)、直ぐに当時の思い出が蘇ってきます。 ドイツレクイエムと名の通り、ドイツ人にとってはこの作品はやはり特別なもので、ハンブルクにいた頃、ミヒャエル教会にこの曲を聴きに行った時に、観客のおばあさんが涙しながら聴いていたのを覚えています。他のどの作品よりも、より魂を注いで歌っている同僚、そしてプログラムの歌詞を殆ど目で追う事なく音楽に耳を済ませている観客の方々にも大変刺激を受けました。 ドレスデン公演は予想通りに客席は満席で、テレビ収録もされました。 この模様はYoutubeでご覧頂けます。少し目が回りそうなカメラワークですが(笑)もし宜しければ是非ご覧ください。 翌日はライプツィヒのゲヴァントハウスでの公演でした。

2017年10月その③フランクフルト、ドルトムント公演

再びヴェルディ作曲《レクイエム》公演が続きました。 今月はフランクフルト、そしてドルトムント公演です。 指揮はAndrés Orozco-ESTRADA氏、フランクフルト放送交響楽団との公演です。フランクフルト会場はAlte Oper Frankfurt、音響の良いホールで、日本の大きなコンサートホールを思わせる場所でした。 フランクフルトは東京の様に高層ビルがひしめき合っていますが、このほとんどが銀行のビル。こんなに高いビルが集まっている所はドイツでも珍しい光景です。 この公演は、エキストラで日本人のテノールが一緒に歌っていたので、空き時間に日本食を食べに行ったりと、束の間の日本語で会話ができるリラックスした時を過ごす事もできました。 やはり母国語は素晴らしい程に脳みそが楽ですね・・・。

2017年10月その② クリスマスCDの第2弾のレコーディング

後1ヶ月と少しでアドヴェントが始まる2017年10月半ば、MDR Rundfunkchor(中央ドイツ放送合唱団)の好評だったクリスマスCDの第2弾がリリースの為のレコーディングがありました。 第一弾と同様、世界のクリスマスソングというテーマで、今回は日本の曲も入れて欲しいという要望があったので、母にまず実家にある楽譜で何曲か探してもらい、その中から指揮者が選曲した曲を録音する事になりました。この曲ではなんと贅沢にも同僚の合唱をバックにソロを歌わせて頂きました。収録前は同僚たちにも日本語の発音指導をし、同僚が全員で日本語で歌っている風景はなんだかとても新鮮で感動的な体験でした。吉倉英基さん作曲、HAPPY CHRISTMASというシンプルで誰の耳にも残りやすい曲です。この曲はこの年の12月にベルリン、マクデブルク、ドレスデンのMDRのクリスマスコンサートでもプログラムに入れてもらうことになりました。まさか自分がドイツで日本のクリスマスソングを歌う事になるとは夢にも思っていませんでしたが、とても感謝な思い出となりました。 Youtubeでもどなたかがアップしたものをお聴きになれます。(ただ、題名が間違って"静かな夜に"と表記されています。正しい曲名は"HAPPY CHRISTMAS"です。)
https://www.mdr.de/klassik/mdr-rundfunkchor/weihnachts-cd-rundfunkchor-o-sanctissima100.html

2017年10月その① ライプツィヒでの朝鮮再統一の為に祈るステージ

2017年10月上旬、ヘンデルの故郷ハレでのMDRの公演があったその日の夕方からライプツィヒ韓国協会からのお誘いで韓国再統一を願う催し物で、MDRの韓国人の同僚と出演させて頂きました。 今回のテーマに沿ったヘンデルの作品と、韓国語の作品を歌わせていただきました。 戦後72年経った今でも多くの課題を残す日韓関係ですが、個人的に付き合っているとそんな事は忘れてしまうくらい良い関係を築くことができます。 数年前にコンクールで訪れた中国での経験と同じ様に(ラジオに飛び入りで生出演させて頂きました)、意義のある時間を持つ事ができました。 今、特に北朝鮮との間で非常に難しい場所に置かれている日韓。そして現在戦後一番に冷え込んでいる日韓関係。 ただただ “平和” を祈るばかりです。

2017年9月 ヴェルディ《レクイエム》ワイマール公演

2017年9月中旬にワイマールでヤノフスキー指揮、ヴェルディ《レクイエム》公演が2日続けてありました。 私の声の分野では全くないヴェルディの作品ですが、こうしてMDR放送合唱団として歌える事は感謝な事です。 私が初めてドイツに来た時(20代はじめの夏)、ライプツィヒからドイツ語も何も分からずに一人で電車に乗って訪れた町がここワイマールでした。当時1週間だけライプツィヒで行われるマスタークラスの為に来たのですが、マスタークラスの合間に一人小旅の日帰りでライプツィヒからワイマールに赴きました。電車のチケットの買い方も分からず、買うまでに随分と苦労したのを覚えています。とにかく言葉が分からなく初めての地での小旅、不安のままぶらぶらとワイマールを歩きまわりましたが、帰りライプツィヒに無事に戻って来られた時のあの何とも言えない安堵感は今でも忘れられません。そして、当時滞在していたライプツィヒのホテルは、今では改装されて新しいホテルになっていますが、マスタークラスのレッスン後に落ち込んで母に暗い気持ちでホテルのパソコンから(当時は海外で使える携帯もパソコンも持っていなかった・・・)メールを、日本語のキーボードがないのでルファベット文字で打ち込んだ事も今思い出しました。母にはこの時もとても励まされたように思います。 そんな思い出がありましたが、今回のワイマール滞在は、ホテルから歩いて直ぐの所に大きな自然豊かな公演とゲーテが住んでいた家があり、なんとも自然に癒されるそんな旅になりました。

2017年8月その② デンマーク、コペンハーゲン公演

2017年8月下旬にはデンマークのコペンハーゲンでマーラー作曲交響曲8番の公演がありました。 指揮はFabio Luisi氏、以前MDRオーケストラの常任指揮者だったそうです。 同僚から、素晴らしい指揮者だと聞いていましたが、その指揮を見て直ぐに納得。彼の指揮で歌うとなんとブレスがしやすく歌いやすいことでしょう・・・! 指揮者によって、こんなにも違いがあるものなのかと改めて感じた公演でもありました。 マーラー8番はフルオーケストラであまりにオーケストラが大音量なので、合唱団員には耳栓も配られました。笑 でも、これをオーケストラの直ぐ脇で歌っていたら、鼓膜は直ぐに潰れてしまう事でしょう。。。恐ろしきマーラー交響曲、、、。 コペンハーゲンでの滞在は今回が初めてでしたが、空き時間には同僚と世界最古の遊園地に遊びに行ったり、美味しいレストランにステーキを食べに行ったりと、楽しい旅になりました。