12月(2015年)の回想記 〜クリスマス!〜

今回は昨年の12月の回想記です。
12月はクリスマスシーズンということもあって、思い出すだけでもウキウキしてしまうキラキラした思い出が沢山ありました。


ハンブルク市庁舎前のクリスマスマーケット


例年の如く街中至る所でクリスマスマーケットが開かれ、この時期に食べるドイツのお菓子、日本でもお馴染みの "シュトレン Stollen " が売られています。ある夜帰宅すると同居人が美味しそうなシュトレンを分けてくれました。ビオスーパーで購入したものらしく、中のナッツが香ばしく、ドイツのお菓子らしからぬ甘さ控えめで、とても美味しかったです。
シュトレンの豆知識がWikipediaに載っていました。
生地にはドライフルーツやナッツが練りこまれており、表面には砂糖がまぶされている。ドイツでは、クリスマスを待つアドベントの間、少しずつスライスして食べる習慣がある。フルーツの風味などが日ごとにパンへ移っていくため、「今日よりも明日、明日よりもあさってと、クリスマス当日がだんだん待ち遠しくなる」とされる。
発祥はザクセン州のドレスデンで、その歴史は14世紀にさかのぼる。ドレスデンでは、12月の第1土曜日に巨大なシュトレンがパレードする祭りが行われる。

とのことです。ひとつ豆知識が増えました。
私は全く少しずつではなく、美味しくて一気に食べ終えてしまいましたが・・・
一応お腹はクリスマスの準備万端になりました。





ちょうどこの時期、ハンブルクで "Dom ドーム" という移動遊園地が開かれていました。このドーム、ハンブルクには年に3度やって来るのですが、ヨーロッパのあちらこちらであるような小さな規模の移動遊園地ではなく、これって本当に移動するの?!と驚くくらい結構大きな遊園地になります。2年もハンブルクにいて、一度も訪れたことがなかったので、一度だけ友人たちと遊びに行ってきました。移動遊園地なのに大掛かりな観覧車や絶叫マシーンもありました。

かなり大きな観覧車。
中央にはハンブルクのマークが。

これが組み立て式だと考えるだけで、この上ない絶叫マシーンの様な気がしますが・・・。昔からジェットコースター等の絶叫マシーンが大好きな私ですが、腰の事もあって、今回はジェットコースターに乗るのを見送るという残念な思いをしましたが、雰囲気は味わえて良い思い出になりました。

そして、12月12日、私がこの月で一番楽しみにしていた演奏会がありました。
イギリスのアンサンブルグループ、キングスシンガーズがハンブルクにやってきたのです!
昔から、彼らの透き通るようなハーモニーと曲のアレンジがとても好きで、日本にいた時からよくYoutubeを見ていました。彼らのポスターをハンブルクで見つけた時にはすぐに手帳に大きく記入し、この日を心待ちにしていました。


会場はライスハレでしたが、自分がNDRの時に出させて頂いた時よりも数倍ウキウキした気持ちでホール会場に入り(笑)、とても良い席で彼らの音楽を満喫する事ができました。

会場のライスハレ


プログラムの中心はクリスマスソングでしたが、夢の様なひと時でした。
プログラム途中で、曲終わりにあまりの素晴らしさに、大きくため息をつくお客さんまでいました。
メンバーは昔から私が知っているメンバーとだいぶ入れ替わっていましたが、ピュアボイスのカウンターテナーの方はそのままで、素晴らしいアンサンブルを堪能しました。
ピタっと、ブレずにはまるハーモニーは聴いていて鳥肌が立ちます。


終演後、会場ではキングスシンガーズの前でアンサンブルを披露するお客さんまでいたり、子供から若い世代のお客さんを多くみかけ、オペラの客層とはまた違ったファン層の雰囲気も私にとってはとても新鮮でした。
この様なアンサンブルグループで歌えたら、気持ち良いだろうな、と羨ましい気持ちにもなりました。

終演後に購入したCDに全員のサインをもらいました。
このCDは早速Ipodに入れ、ICEの中で良く聴いています。

ピュアボイス、カウンターテナーのデーヴィッド・ハーリーさんと。

彼らのお気に入りの一曲。




そしてクリスマスイブの24日はハンブルク歌劇場にオペラ《ヘンゼルとグレーテル》を観に行きました。
この演目、そしてクリスマスイブということもあって、家族ずれが多く、賑わいのあるオペラハウスでした。
ヘンゼルとグレーテル、子供の役ですがとても立派な声の歌手が歌っていました。大人っぽすぎる・・・と思ったのはここだけの話ですが。
魔女役はテノール歌手が担当していて、子供たちの間で一番人気。
後ろの席に座っていた小学生くらいの女の子が、魔女が登場する度に「魔女!魔女だ〜!」と嬉しそうに言っていました。
この秋に”魔女の一撃”をくらった私にとってはあまり嬉しい存在ではありませんでしたが・・・。
このオペラは何回も見ましたが、ヘンゼルとグレーテルが迷い込んだ森の中で眠る時に、天使たちに守ってくれるようにお祈りするシーンは毎回感動します。ハンブルク歌劇場の演出は、彼らが寝ている間、大勢の大きな翼をもった天使が取り囲んで護っていました。


子供たちの衣装がとっても可愛かったです。
やはりこういう演出や衣装がホッとします。

オペラの帰り、電車を待っていたホームの掲示板も年末仕様でした。




ドイツでは12月26日までがクリスマス本番です。
クリスマスマーケットは24日で一斉に閉まり、街中は一気に静まりかえります。
26日は同居人がお料理を作って下さり、お隣さんご夫婦を招いて皆でお食事をしました。


牛のモモ肉をつかった料理。

お食事後、何故か折紙大会になり、鶴の折り方を教えたところ、お隣りの奥さんがハマってしまい、彼女は連続で何度も折り続けていました。

日本から持参していた折紙が役にたった瞬間でした。

気がつけば彼女の周りは折り鶴だらけに。




皆で童心に返りました。

美味しいお料理と親切な同居人、お隣さんと一緒に過ごしたひと時は良い思い出です。
因みに、数日後、お隣の旦那さんに玄関前でお会いし、この日以来、家中が鶴だらけになってるよ。と言っていました。奥さんは、年末にフランクフルトの親戚の子供たちに今回覚えた折り鶴を披露したそうです。子供たちはとても喜んでいたと聞き、私も嬉しくなりました。

2015年も忘れられない思い出が沢山あった感謝な一年でした。
留学は夢のまた夢だ、と日本にいた時には思っていましたが、幸いにもこうしてドイツで勉強させていただける機会が与えられて、応援してくださる方々がいる事は本当に感謝です。ありがとうございます。

さて、やっと2015年のブログを書き終えられましたが、次回からいよいよ2016年の回想記に入ります!





11月 (2015年)の回想記 〜 癒しの時間 〜

日本は梅雨明けまであと一歩・・・という時期でしょうか。
梅雨明けは一番熱中症にかかりやすい時期だと聞いたことがあります。
くれぐれもご自愛なさってお過ごしくださいね。

さて、今回も遥か彼方の回想記、とはいっても今回は今まで以上に大したお話ではありませんが・・・今回は私の一番の癒しのひと時について少しだけ。


10月下旬にサマータイムが終わり、日本との時差も7時間から8時間へ。
太陽が空を留守にする時間も長くなってきました。
枯葉が落ちるのを見てはなんとも切ない気持ちになってしまいますが、ハンブルクは特に雲が重い日も多く、11月半ばにはついに雪も降り、冷え性の私にとってはなかなか堪えるそんな季節、気持ちもどんより。


11月、学校の練習室からの景色


そんな中、私の癒しの源、それは住んでいる部屋のお隣のお宅にしょっちゅう遊びに来る猫、その名も“フェリックス”です。

お隣さんが飼っている猫ではないのですが、遊びに来ては隣のお宅で泊まって行きます。餌ももらい、ふかふかなベットで寝させてもらう、なんて良いご身分・・・とも思いますが、会うといつも挨拶をしてくれるので、二言三言会話をします。

「フェリックス〜!」

「にゃ〜。」

「今日も遊びに来てたの〜?」

「にゃ〜。」

「こっちにおいで〜」

尻尾をピンっとたてて(ご機嫌の証拠)近寄ってきて、喉をゴロゴロ。

ある日には、玄関を開けたら・・・
うちの前にいらっしゃいました。


フェリックスに会えた時の1日、なんだか得をしたような、幸せな気分が続きます。
お隣の旦那さんともたまにフェリックスの話題で立ち話をするのですが、フェリックスという言葉はラテン語で「幸福」という意味なんだよ、と教えてもらいました。お隣さんはしょっちゅう玄関前の階段で猫のおもちゃを投げてフェリックスと遊んでいます。


家の外でフェリックスに会う時もあります。
通りがかったどこかのおじさんが、「フェリックス〜!」と声をかけ、しばらくの間撫でていきます。フェリックスは皆に”幸せ” を運んでくれる猫なのです。

しかし、”フェリックス” と聞くと、中学時代のある理科のテストを思い出します。
そのテストの問題で、正解の回答は”始祖鳥”だったのですが、なぜか“フェリックス”と回答した生徒が続出。ちょうどその時期に合唱コンクールの練習真っ只中で、「不死鳥 〜フェリックス」という合唱曲を皆毎日練習していたせいで、頭の中が影響されすぎて、理科のテストの答案用紙に皆こぞって”フェリックス”と書いてしまった、という嘘の様な本当のお話。今思い出しても笑ってしまいます。

余談でした。


そしてもう一つ、もっと大切な私の癒し時間。

それもまた猫!

何度もすみません。

たまに家族とスカイプでテレビ電話をして近況報告をします。その時は必ずと言っていいほど、毎回我が家の猫たち(おじいちゃんでとことんマイペースなミカエル、ちょっとおデブちゃんでシャイな女の子ララ、末っ子わんぱくで勢い激しいジョイの3匹。(全て拾い猫です。) )に家族に頼んで対面させてもらいます。

ある夜、スカイプ越しにジョイに話しかけてみました。



「ジョイ〜。」


「・・・。」
無反応。



「ジョイく〜ん!」

「?!」
ちょっと反応。



「ジョイくーん!!!」

「・・・?!」
スチャっと立ち上がり、


「ジョイくーん、こっちだよ〜!!!」

「??!」
凄く反応。


その後、音がどこから聞こえてくるのか周りをウロウロ。

なんなの?だれなの?どこからなの!?


この辺から何か呼ばれてる気がするんだよな〜、と考える。



・・・・・。

(因みにジョイの首輪はドイツからのお土産です。
魚の形のチャームと鈴がついています)


こんな感じで、癒しのスカイプタイムをしています。

でも残念ながら、直接会わないと彼らと会話は難しいのですが、ハンブルクの憂鬱なお天気でも鬱にならなかったのは、この猫達との癒しの時間があったからと言っても良いでしょう。

本日はなんと“猫” だけの話題になってしまいましました・・・失礼致しました。
次回は12月、クリスマスシーズンの回想記です。(季節外れ、ご了承ください。笑)


〈 おまけ 〉

11月下旬、父から送られてきたジョイの寝姿。
彼がどうやって呼吸をしていたかは不明です。










回想記 10月(2015年)の出来事 〜 魔女の一撃?!



ハンブルクの道端で見つけた野花


日本は梅雨真っ只中、蒸し暑い日々が続いていると風の便りで聞いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

ドイツでは晴れの日、日差しは強いものの朝夕は長袖と羽織ものがないと肌寒い季節です。ただし、最近異常気象のせいで、日本の様に蒸し蒸しした日が何日かありました。そしてしょっちゅうバケツをひっくり返したような雨が降る日もあり各地で自然災害がありました。ドイツ人も、こんなお天気は普通じゃない、と言っていましたが・・・世界の気候はどうなってしまうのでしょうか・・・。


さて、ここ数ヶ月、時間的にも精神的にも余裕のない日が続いていた為、またまた放置状態になってしまっていたこのブログ、物忘れ防止の様な感じになっていますが今回は昨年10月のお話。思い返せば色々なことがありましたがその中から一つだけ。(今回は全く音楽の話ではありませんが・・・)

夏の2つの連続マスタークラス、直後に友人と旅行、そして休みなく学業と仕事、色々と自分のペースで物事を進める時間がなく、精神的にも肉体的にも緊張が続いていたそんなある日、魔女の一撃をくらいました。
といっても魔法でもなんでもなく、そう、ぎっくり腰です。
ドイツではぎっくり腰のことをHexenschuss(魔女の一撃)と言うのです。


Wikipediaより

夏の間、リューベック、ベルギー、オランダ、パリと石畳の上を重いスーツケースを転がしまくる、そしてある時はエレベーターのないホテルの5階まで自分でスーツケースを運ぶ、等々、腰には可哀想なことばかりしてきたある日の事でした。ぎっくり腰とはいうものの私の場合、正確には腸骨関節障害とお医者さんから診断されました。もう起き上がれない、靴下が一人ではけない、歩くときはソロリソロリとまるで日本舞踊(歌舞伎?)のような動作になっていました。(日本舞踊は本来ならば相当の筋肉を使うようですが、動きとスピードはそっくりでした。)

数日はすぐに治るだろう、と思っていたのですが、考えが甘かった・・・痛みが全く引かないので、バスに乗って整形外科へ。バスの揺れさえも恨みたいくらいでした。そしてドイツで初めて整形外科へ行く緊張感と不安感。ドイツの治療はどんなものなのだろう・・・受付で渡された知らない単語だらけの問診票を辞書を引き引き記入し(周りの患者さんの何倍も時間がかかる・・・)、診察の時には恐る恐る状態をお医者さんに説明。レントゲンを撮り、幸いにも骨や椎間板には異常はみられませんでしたが、お医者さんは「これは緊張やストレスからですね〜。」と言いながら、目にも留まらぬ速さで 、私が状況を飲み込むよりも先に腰にブロック注射。注射はそこまで苦手ではないものの、鋭く痛く、痛かったにもかかわらず残念ながら私には殆ど効かず(苦笑)。テーピングも施してもらいましたが、この時は気やすめ程度にしかなりませんでした。結局後日、他の治療法に切り替え、なんとか徐々に良くなりましたが、改めて腰は身体の“要”であることを再確認した出来事でした。腰痛後、ずっと一人で履けなかった靴下がスムーズに履けたときの喜びといったらもう、春が来たような喜びでした。(これは大げさではありません。
当たり前の事ですが、健康第一、今後は 魔女の一撃” なんぞくらわないよう、しっかり身体のメンテナンスをして防御したいと思います。

10月の紅葉の中、アムゼル(Amsel)を発見。
歌がとても上手な、私のお気に入りの鳥です。
木の枝と被ってしまっていますが・・・。


治療の帰り道の景色
エルベの港