9月の出来事 その③ 〜 修了演奏会 〜

頂いたバラ

引き続き、9月の出来事 その③です。
9月28日に、勉強させて頂いた一年間のコースの修了コンサートがありました。
今回歌ったのは、
モーツァルト作曲歌劇《 羊飼いの王様 》よりアミンタのアリア “ L'ameròsarò costante ”  ( 彼女をわたしは愛そう、生涯変わらずに ) 
ベッリーニ作曲歌劇《 カプレーティ家とモンテッキ家 》よりロミオとジュリエッタのデュエット " Ah, crudel, d'onor ragioni "ああ、酷い、きみは名誉を口にするのか )の2曲でした。

《 羊飼いの王様 》はモーツァルトが19歳( 十代! )の時に書いた作品で、マリア・テレジアの子供、マクシミリアン・フランツがザルツブルクを訪問した際の祝賀のために作曲されたオペラだそうです。このアリアを歌うアミンタは羊飼いの若者の役で、当時はカストラートが歌っていましたが、今ではソプラノが歌うというのが通常になっています。歌とヴァイオリンとの掛け合いがゆったりと優雅で美しく、とても有名なアリアです。今回はヴァイオリンの代わりに同じコースに在籍していたオーボイストと一緒に演奏させて頂きました。

そして、現在の声楽の先生からの勧めで、私の大の苦手なイタリアオペラのベッリーニのデュエットにも今回挑戦しました。現在同門のソプラノの方と演奏させて頂きました。このストーリーは書かずとも誰もが知っているロミオとジュリエットの悲劇のお話です。
ベッリーニから申しますと、一言で言って、完敗。ベッリーニは私にとっては声種に合わずに重過ぎる、という事は私自身も私の師匠も分かってはいましたが、今回どうしても門下生の中でデュエットをさせたいとう先生たっての希望で、実際はソプラノとメゾソプラノが演奏しますが、私がリリコレジェッロソプラノ(軽い声のソプラノ)、もう一人がドラマティックソプラノ(立派な浪々とした声のソプラノ)という事だったのでこの曲になりました。(演奏時の写真がありませんが・・・。)
苦手分野の上に、まさかのプログラムの トリ。反省点は数えきれない程だくさんありましたが、これも一つの勉強になりました。この曲はまたじっくり、ゆっくり復習い直したいです。

そしてモーツァルトのアリアは、数年前に日本モーツァルト音楽コンクールの本選で歌った曲だったので、他の作品に比べると慣れていましたし、オーボエの方に音楽的に存分に助けて頂き、今回とても楽しんで歌う事ができました。モーツァルトコンクールの時は失敗ばかりで良い印象が自分の中に残っておらずコンクール終了後はどん底に突き落とされたように落ち込んでいましたが、今回、伸び伸び音楽を楽しんで歌えた事は良い経験になりました。
モーツァルトはメロディーがシンプルだからこそ、神経を研ぎすませて歌わなければいけない難しさがありますが、一旦その音楽の魔法にかかってしまうと、あっと言う間に天上に引き上げられたように嬉しくなる、そんな音楽を作曲したモーツァルトって本当に天才・・・!!と誰でも言える様なコメントしか湧いてきませんが、兎に角モーツァルトの音楽、大好きです。

一年間という時間はまるで3分間砂時計の様にあっという間で、一年間果たして何が出来ただろうか、上達しただろうか・・・と反省、思う所は沢山ありますが、まずは健康が守られて大好きな先生の元で勉強でき、無事に修了できた事に神様に、支えて下さった方々に心から感謝します。残りの留学生活も大切に過ごさなければという思いとともに、修了演奏会を終えました。



修了演奏会風景 
終演後、オーボエニストの荒絵里子さんと。
(彼女は今東京交響楽団の主席オーボエ奏者として活躍されています。)

修了証書を学長から頂いているところです。
誰かのビデオカメラと重なってしまっていますが・・・。

頂いたお花たち