3月 (2017年) の出来事 〜 イギリス・ルネサンスの作品を演奏


2017年3月にはMDRのNachtgesangプロジェクトの演奏会がありました。
Nachtgesang (夜の歌)は年に数回あり、その名の通り夜10時から開演で、いつも眠気と緊張(冬は会堂の寒さも)との戦いの演奏会なのですが、入場無料ということもあり、毎回沢山のお客様が来てくださいます。
今回はイギリスの指揮者Stephen Layton氏を迎え、イギリス・ルネサンス音楽、バードとタリスの作品を中心としたプログラムでした。イギリス・ルネサンス作品はなんとも言えず、私にとってはどこかとても懐かしく感じる作品ばかりです。演奏を始めるとその時代の時空がみるみる浮き立ってきて、音楽そのものが空間に細かい粒子となって放出され肌に染み渡ってくる感じです。不思議な感覚、個人的には鳥肌もののプログラムでした。
イギリスからの指揮者をお迎えし一緒に仕事をする中で毎回思うことなのですが、演奏するにあたっての発声が独特です。ルネサンス作品という事も勿論あるのですが、ノンビブラートは必須、そして母音がドイツ的発声よりも薄くて明るい、それでいて響きは付いている。そして歌詞が英語という事も大きく関係してくる事は間違いありませんが、どの音域もファルセットを混ぜて鼻歌のようにリラックスして常に歌うといった感じでしょうか。文で書くと表現が難しいのですが、Kings singersの演奏を聴くとまさにそれ、と言った感じです。
練習中は何度発声を指揮者から指摘されたかわかりません。なんせ、ついこのあいだまではマーラーやメンデルスゾーンを歌っていたので短期間での発声の切り替えと技術の構築が難しかったのは正直なところです。
そして、1週間前にはヴァイル音楽祭デッサウ公演があり(ここでは詳しく書きませんが )、帰りのバスの寒い空調のおかげで風邪で寝込むも、Nachtgesangの演奏会では少しですがソロを歌わうことになっていたため、鼻風邪が抜けますように、声が持ちますように…とヒヤヒヤしながら本番に臨みました。全てアカペラ作品(実際これほど怖いものはありません)、しかも本番直前には急遽全体の立ち位置もガラッと変更になってしまい何かとプレッシャーで冷や汗ものでしたが、本番は集中して、それでも楽しんで指揮者を中心に良い音楽が造れたように思います。
そんな中、本番数週間前に同僚達と作った手作りビオ石鹸がリハーサルの日に手元に届きました。6種類全て違う香りでどれも良い香り。音楽と香りってなにか共通しているようにも思えた日でもありました。リハーサルは休憩中に石鹸の香りを嗅ぎながら頑張りました。笑

私たちの演奏ではありませんが、今回のプログラムで演奏したタリスの"If Ye love me" の素敵な音源をYoutubeで見つけたのでもし宜しければ是非。
https://www.youtube.com/watch?v=J6RgaPTo4hE




Nachtgesangの演奏会が毎回行われるPeterskirche(ペテロ教会)


同僚と作った手作り石鹸



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