2月(2016年)の出来事 〜 C.P.E.バッハ《マタイ受難曲 1769》〜




大変ご無沙汰しています!
日々の色々な事に追われ全く落ち着かず、ゆっくりブログが書けない日々を送っていましたが、気がつけばもう2016年も終盤に・・・急がねば!
という事で、今回は2016年2月の出来事を回想してみようと思います。(2月・・・。笑)

1月は日本に一時帰国していましたが、無事にハンブルクに戻り、カール・フィリップ・エマニュエル(C.P.E.)・バッハ作曲の《マタイ受難曲 1769》のソロを歌わせて頂く機会がありました。
このお仕事は、以前からハンブルクやリューベックでマスタークラスに参加した時に、ハンブルク音大の教授が聴きにいらしていて、マスタークラス後に「ハンブルク音大の大学院で私の元で勉強しない?」と毎回声をかけてくださっていた先生がいたのですが(結局ハンブルク音大は受験しませんでしたが。)個人レッスンに通わせて頂き、ある時にソロを歌ってみないかと、今回の公演のお話を頂きました。

C.P.E.バッハは音楽の父ヨハン・セバスチャン・バッハの最初の妻との間の次男で、ハンブルク(ベルリンでも)で活躍した作曲家です。バッハ父と見分けるために"ハンブルクのバッハ"との呼び名もあり、ハンブルクの5大教会のカントールとして活躍し、その中でも一番有名なミヒャエル教会には彼のお墓があります。
彼はバッハ父よりもテレマンの影響を強く受けており、生前は父のヨハン・セバスチャン・バッハよりも名声を得ていたようですが、常に彼はバッハ父への尊敬を持って日々作曲していたそうです。
彼は6つの受難曲を作曲していますが、この作品が演奏されるのは稀で、私もお恥ずかしながらこの作品を知りませんでした。この楽譜をハンブルクで初めて譜読みし、全体を聴きましたが、この作品の中には耳馴染みのあるメロディーのコラールが登場したりとやはりお父さんの影響も受けて作曲しているように感じました。

他のソリストはハンブルク音大の大学院の声楽科の方、NDR(北ドイツ放送)放送合唱団の団員の方、オーケストラはこの日の為に集められたオーケストラ、合唱はハンブルクの高校の学生達が演奏しました。2月という事、そして教会での演奏会とあって、かなり寒い思いもしましたが、本番はそんな事も忘れ、伸び伸びと歌えたように思います。ハンブルクに馴染みのある作曲家の一人のC.P.E.バッハの作品を今回学べてとても良い機会となりました。
当日はハンブルクでお世話になったガストファミリーや友人達、この教会を紹介して下さったハンブルク音大の教授も駆けつけてくださり、嬉しいひと時でもありました。

当日のリハーサル風景


留学を始めた最初の1ヶ月お世話になったガストファミリーも聴きに来てくださいました。
なんとおばあちゃんは92歳!



2月でしたがクロッカスが顔を出していました。




ガストファミリーから頂いたチューリップの花束。
本番終了直後の拍手の中、ガストファミリーのお父さんがこの花束を指揮者を通り越して「マイ〜!!」とニコニコしながら私に手渡してくれ、嬉しいような恐縮なようなという感じでしたが、いつも応援してくださって本当に感謝です。












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