8月の出来事 その② 《ベルギーへ》前半

早いもので2015年も残り1日となりました。
今年はなかなか順調にブログが書けなかったので、今年は8月の出来事を書き終えて2015年が終わりそうです。
またマイペースに随時更新していけたらと思っています。
しかも今回は "8月その②の前半"。
あぁ、何てややこしい・・・私自身もそう思います。
一気に今回 "その②" を書こうと思ったのですが、あまりにも書きたいこと、アップしたい写真がたくさんあって、結局ベルギー2回、オランダ1回の計3回に分けて書くことにしました。
とは言うものの、今日は12月30日で明日がジルベスター。街中ではジルベスター用の花火が、フライングで打ち上がっている音がバンバン聞こえますが、そんなのお構いなしに、夏真っ盛りの8月のことを書こうと思います。


8月の中旬にあったリューベックのマスタークラスの終了日の前日から、高校時代の同級生がドイツに遊びに来ていました。リューベックで久しぶりに再会し、マスタークラス終了後、ハンブルクに帰り一泊。少しハンブルクを観光したあと、ベルギーとオランダへ旅行に行きました。
アムステルダム空港は乗り継ぎで何度か使用しましたが、今回街中に出るのは初めて。
ワクワクしながらハンブルクを出発しました。
ハンブルク空港から飛行機でアムステルダム空港へ。その後、タリスというフランス・ベルギー・オランダ・ドイツを結ぶ高速列車に乗ってブリュッセルへ向かいました。
ハンブルクからブリュッセルまでの直通の航空券が高くて手が届かなかったので、今回はハンブルク→アムステルダム乗り換え→ブリュッセル→アムステルダム(最終日にアムステルダムで友人とお別れ。友人は成田へ、私はハンブルクへ)という流れでした。

アムステルダム空港からタリスに乗り換える時に、第一のハプニングが私たちを待ちかまえていました。インターネットで既に購入していたチケットのはずだったのですが、肝心なプリントアウトのページを間違えていて、カウンターで提示してもこれでは無理、と断られてしまい・・・なんとかカウンターの係員に私のメールボックスを開いてもらって、プリントアウトをしてもらい、なんとか正式なチケットを入手。
アタフタしていて周りなんて見ている余裕なんかないのに、カウンター付近で見知らぬ外国人の方から「君たち日本人?」と声をかけられて、話を聞くとどうも格闘家の方とのこと。日本にもうすぐ試合で行く、と言っていました。魔裟斗とも対戦したことあるんだぜ。と言われましたが、はぁ、そうですが、楽しんでください、、、と返すので精一杯。
果たして、あれはどちら様だったのでしょうか・・・。

ま、いっか、と思っていた矢先、もうひとつ問題発生。
出発時間が予定していた時間と違うということに気がつき、カウンターの人に何度聞いても違う出発時間を言われて、全然最初は理解できず。もう全然話が通じない!とスーツケースをゴロゴロ飼い犬のように引き連れまわしながら、あっちに行ったりこっちに行ったり。出発時間は刻々と迫ってきていたので、もう一度インフォメーションのお兄さんに聞くと、やっとこさ詳しく教えてくれました。
私たちが調べていた出発時間はアムステルダム空港よりひとつ手前の駅の出発時間で、アムステルダム空港にその列車が到着するのは数分後。
道理で時間が合わないはずでした。それにしてもお兄さんの説明も、時刻表もすごくわかりずらく、もともと私たちが間違っていたとはいえ、お兄さん、最初からそう説明してくれたら良かったのにぃ〜!と友人と叫びながら慌てて走って乗り場のホームへ。
乗るべきタリスがホームに入ってきた姿をみて、長年待ち続けた憧れの方にお会いできたかのような高揚感と安堵感でした。(ちょっと誇張しすぎですかね。)

なんとか無事にパリ方面のタリスに乗車して、車内でなぜかお寿司を食し、ブリュッセルに到着しました。
因みに、後日知ったのですが、このタリス、私たちが乗った3日後に車内で発砲事件があり、ニュースを聞いて冷やっとしました・・・。
やっと乗車できたタリス。
この乗車がホームに入った時には本当にホッとしました・・・アムステルダム駅にて。
タルスの車内で食べたランチ。なぜかお寿司。
ただし海苔巻きではなく生春巻き。
緊張が解けてホッとした時、人は故郷の味を欲するのでしょうか。
ブリュッセル到着のホームにて

タリスの先頭。
ブリュッセル駅にて

ブリュッセル駅に着き、道に迷いながらも無事にホテルに到着。
ホテルはブリュッセルの中心街にあり、ギャルリーサンチュベールという1847年に建造されたヨーロッパ最古のショッピングモールに徒歩3分程の場所だったので、とても便利でした。
その日の夜と次の朝、ギャルリーサンチュベールを通りましたが、天井はガラスでできていて、日中は太陽の光でとても明るく、ベルギーのチョコレート屋さんや刺繍屋さん、雑貨屋さんなどが並んでいて、とても素敵なショッピングモールでした。
ギャルリーサンチュベール。現実ではないような、素敵な空間でした




ガラスの天井から空が透けて見えました。
ジブリ映画の世界の様でした。



レースのお店。


色々なレースがあり、どれも素敵でした。


チョコレート屋さんは、これでもかというほどにチョコレートが山積みになっていて、もう見ているだけでお腹が一杯に・・・。甘党の友人は大変喜んでおりました。




ブリュッセル到着日の夕飯は、ベルギーならではのムール貝のココットを食べに、ブリュッセルで一番有名なシェ・レオンというお店へ。
ずっとムール貝のココットを食べるのが細やかな夢だったので、今回一つ美味しい夢が叶いました。
パクパク夢中になって食べていると、隣のスペインからの親切な旅行者からムール貝のココットの食べ方を伝授され、新発見、そして美味しく完食。


ムール貝のココット。いつか自分でも作ってみたいです。


ペロリと完食。
外のテーブルだったので、この景色を見ながらムール貝を頬張りました。


その後、腹ごしらえに徒歩ですぐの場所にあったグラン・プラスへ。
グラン・プラスはフランス・ロマン主義の詩人であり小説家のヴィクトル・ユゴーが世界一美しいと絶賛した広場で有名です。1998年に世界遺産に登録されていて、広場には市庁舎や"王の家"(実際に王が住んだことはないらしいですが・・・。)と呼ばれるどっしりとした建物が多く並んでいました。とても素晴らしい広場でしたが、後々色々と調べてみると、ここで1523年にプロテスタントの最初の殉教者がここで火あぶりの刑になったのだとか・・・。歴史は恐ろしい・・・。


広場に近づいていくにつれて、大きな市庁舎の天辺が見えてきました。


道にあったマンホール。悪魔を踏みつけている様子から、恐らくブリュッセルの守護天使である大天使ミヒャエルだと思われます。だいぶ磨り減っていました。


ブリュッセルの市庁舎。1402〜1455年の間に建設されたそうです。
天辺にはブリュッセルの守護天使ミヒャエル像が飾られてありました。


市庁舎の向かいにあるギルドハウス。ギルドとは中世から様々な商工業者の間で結成された職業別組合のことで、各家の入り口にはそれぞれの職業を表す紋章が見られました。因みに中央の建物、左から二番目の一番上(画家の家と呼ばれているそう。)にかつてヴィクトル・ユゴーも住んだことがあるそうです。


王の家。1985年に改築されて今では市立博物館になっています。


中央はビール醸造業者の家で、天辺には馬に跨った戦士がいました。
これも恐らくギルトの紋章でしょうか。

2日目はブリュッセルから電車で足を伸ばしてゲントという東フランドル地方の古都へ。(中世にはブルージュと交易の街として張り合っていたそうです。)
ゲントとはケルト語から来ている「合流する」という意味で、ここでレイエ川(フランスとベルギーを流れる川)とスヘルデ川(フランス北部、ベルギー西部およびオランダ南西部を流れ北海に流入する川)が合流する事から名付けられた地名のようです。
ゲントの中央駅であるセント・ピータース駅から徒歩でテクテク街中に歩いて行きました。


セント・ピータース駅。
旧市街に入ると最初に目に飛び込んでくるのは大きな聖ニコラス教会です。聖ニコラス教会は11世紀にかけ建設が始まり、13世紀に完成したスヘルデ・ゴシック様式(ゲントを流れるスヘルデ川に因んだ呼び名だと思われます。)の最高傑作といわれる教会です。この教会はゲント商人の富と文化の高さを象徴する教会だそうです。相当な発展だったのでしょうね。

旧市街を歩いて行くと、聖ニコラス教会が見えてきます。


聖ニコラス教会は、少し青みがかった石から造られていて、ずっしりと巨大で、写真に収まりきらない大きさでした。
聖ニコラス教会の内部。




説教台の下から見上げると、体が後ろにひっくり返ってしまうかと思うほど天井が高くにありました。 


天井の前方部分。

さらに先に進むと、ゲントの鐘楼がそびえ立っていました。ゲントの鐘楼はゲントを象徴する3つの建物(聖ニコラス教会、聖バーブ大聖堂、ゲントの鐘楼)の中のひとつで、1314〜1338年(途中戦争で工事が遅れ、1380年に完成)にギルドによって建てられた塔だそうです。当初は宗教的な目的で鐘が鳴らされていたそうですが、徐々に市場の開場を知らせる鐘、外からの攻撃を伝える警報、時報としても活躍したそうです。これも世界遺産に登録されいる建造物です。



高さは91メートルあるそうです。
晴天の空に向かって誇らしげにそびえ立っていました。



ゲントの鐘楼を背景に

ゲントは街中も本当に可愛らしく、素敵な街でした。

大きい(大きすぎる?)犬もいました。乗れそうです。


馬車もパッカパッカと音を鳴らしながら通り過ぎていきます。
この線路は路面電車が走ります。後方に少し写っていますが。


こんな晴天だと全然売れないだろうな、と思った可愛い傘屋さん。


レイエ川(フランスとベルギーを流れる川)
私だったらどこに住みたいかなぁ、なんていう想像も膨らみます。
でも、よく見ると右のお家は恐らく廃屋です・・・。


中世を思わせる様なドアノブ。




そのドアノブを発見した扉のガラスにはフランドル伯の城が映っていす。
このフランドル伯の城、レイエ川が2つに分かれる西に位置し、
城壁はもともとバイキングの侵入を防ぐために作られたそうです。
裁判所→造幣局→牢獄などを経て、現在では拷問道具が展示されている博物館になっているそうです。
あぁ、中に入らなくて本当に良かった・・・。

フランドル伯の城
入り口まで入って、引き返してきました。


可愛いお店も沢山ありました。ウィンドウショッピングしている女性の洋服も可愛かったです。




またまた街中で可愛い子を発見。
飼い主の方に写真撮って良いですか?と尋ねると、満面の笑顔で「どうぞ〜!」と返ってきたので激写。
この子は何を考えていたのか気になります。


ベルギーワッフル。
これはもう太る事間違いなしです。この日だけ特別(?)


街中の橋の上からの一枚。
街中を散策していると、なにやら昔の衣装に身を包んだ人たちに出会いました。
何かお祭りでもあるのかな、と思っていたら、映画撮影していました。
映画撮影のおかげで、渡りたかった聖ミカエル橋は封鎖されていて渡れず・・・。
 
聖ミカエル橋を封鎖して橋の上で映画撮影しておりました・・・。
この橋、渡りたかったな・・・。




仲良くランチタイムの馬車の馬と鳩たち


街中を散策した後、聖バーブ大聖堂を見学しました。ここには初期フランドル派のフランドル人のファン・アイク兄弟の描いた祭壇画「神秘の子羊」がある事で有名な教会です。兄のフーベルト・ファン・エイクが生前にこの絵を完成できず、弟のヤン・ファン・エイクが引き継いで兄の死の6年後の1432年に完成させたそうです。絵画史的には、本格的油絵の世界最初の作品とのこと。絵は有料スペースで撮影禁止だったため残念ながら写真はありませんが、赤や緑などの色がとても色鮮やかで、登場する人物が身につけている装飾品等の細部までもが丁寧に描かれてあり、興味深い絵でした。更に絵描きの気持ちになってみると、これを書いて相当肩も凝っただろうな、なんていうくだらない心配もしておりました。

聖バーブ大聖堂(外観は工事中でした)
内部も立派な佇まいでした。


聖バーブ大聖堂の天井の一部。




礼拝堂のパイプオルガン


オルガンのボタンの数に驚きました。


なんだか宇宙船のコックピットのようでした。




ステンドグラスには色々な聖書の物語や宗教的なストーリーが描かれていました。
当時は、字の読めない民衆も、この絵を見ながら内容を知ったのでしょうか。


実はこの日の目的地はブルージュで、ゲントはその行く途中、ついでに寄る予定だったのですが、予想以上にゲントが大きな街で、観光場所も沢山あってかなり時間がかかってしまいました。もっとゆっくり観光したいという気持ちに蓋をして(とはいうものの大分周りましたが)、憧れの街、ブルージュに向かいました。

ブルージュ(ブルッヘとも言う。色々な読み方があります・・・)はベルギー北西部に位置し、名前の由来は「橋」から来ているそうで、その由来の通り、運河が町中に張り巡らされていて沢山の橋がありました。(因みにドイツ語で「橋は」Brücke  ブリュッケ。)

ブルージュは「北のベネチア」「屋根のない美術館」ともいわれる中世の古都で、とにかくどこを見渡しても全てが絵になってしまうほど素敵な景色が広がっていました。ここの街も世界遺産です。
ゲントで時間を割いてしまって、ブルージュに着いたのがなんと16時を過ぎ。観光の小舟乗り場はもう閉まってしまって乗れないかもしれない。。。と諦めかけていたのですが、ラッキーなことに一つまだ運行している乗り場を発見。
無事に乗ることができました。

ブルージュの運河散歩に行く直前。左手後方には13〜15世紀に建てられた聖母教会。この中にミケランジェロの聖母子像があったのですが、すでに閉まってしまっていて見られず。残念でした。


こんな感じで運河を巡りました。真ん中の後方にはブルージュのシンボルの鐘楼。47個のカリヨン(組み鐘)が15分ごとに時を知らせます。なんだかちょっと斜めって建っているような・・・。
斜めっている建物は色々なところで目にしました。
地震がないからなんとか保っていられるのでしょうかね・・・。


小舟の出航直前に出会ったカモ。
このカモ、クリクリしたお目目で、とても人懐こく、好かれてしまいました。


右手奥に進んで行きました。




運河を巡っている最中に出会った犬。
この子はここが日常の定位置だそうで、観光のスポットのひとつになっていました。
舟で聖母教会の前を通過しました。




街中はこんな感じ。とても可愛らしい街並みでした。
ただし、かなり人気の街で観光客もいっぱい。
ここからも後方には鐘楼が見えました。


レースの産業都市としても有名なブルージュ。
お店の中にはとても高価なヴィンテージものもありました。






ブルージュの薬局屋の看板と鐘楼
ブルージュのマルクト広場。
クッキーでできたお菓子の家のような可愛らしい建物が連なっていました。

この日は夜9時過ぎにブリュッセルに帰って来ました。
ブリュッセルでの夕食はオー・ザルム・ド・ブリュッセルというレストランで、ベルギー料理のBeef Carbonnade(牛肉のビール煮込み)を食べました。日頃は鶏肉以外、あまり食さないようにしているので、久しぶりのがっつりお肉。少々胃がもたれましたが、美味しかったです。



お腹一杯、歩き回ったので身体もクタクタ。
ホテルへの帰り道、ブリュッセルは日本人観光客が多いこともあって、日本語で色々なお店の人から声をかけられましたが、眠いのでひたすらまっすぐホテルに直行しました。

〜 《ベルギーへ》後半へ続く 〜

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